建築を旅してplus
釧路市 編(Ⅱ)①
竹老園東家総本店
昭和29年天皇陛下が行幸で釧路を訪れた際、大変美味しいとおかわりされたことから、東家の名前は全国に広がりました。
竹老園は北海道が誇る蕎麦屋の老舗・東家の当主 伊藤竹次郎の余生の場として、春採湖畔に建てられたものです。
建設当初は春採湖畔の埋立て前であったため、竹老園の手前まで湖水が及んでいたことから、湖畔の東家と呼ばれ、さらに周辺には人家が少ないため、竹次郎にとって絶好の隠居場でした。
しかし、隠居生活に痺れを切らしたのか竹老園完成の翌年には蕎麦作りを再開し、1932年(昭和7年)には竹老園東家総本店と名付けて創業しています。
建物は写真の通り、唐破風を冠する建物になっています。破風の先のむくり屋根の先に曲線を連ねた形状の破風板がつけられたものを唐破風といい、城郭建築、寺社建築、住宅建築などで見られます。
竣工 : 1927年(昭和2年)
構造 :木造平屋建
所在地 : 釧路市柏木町3
施工:細貝熊吉(建築)、吉岡林蔵(土木)、小山萩次郎(石工)